J39チェア。
シンプル、端正でありながら存在感抜群のチェア。
デザイナー、ボーエ・モーエンセンのデザインのルーツを辿ると「シェーカー教」に行き着きます。
シェーカー教はキリストから派生した一派ですが、独自の文化を築いています。
規模がとても大きく、「町」と呼んでも良い程のコミュニティをいくつもつくっていました。
俗世とは切り離し、無駄のないシンプルで美しい暮らしを独自の文化で築いていました。
有用性・簡素・調和を大切にする考え方があり、家具の職人も利益の為ではなく、美しいものをつくる事に対し、真摯に取り組んだそうです。
その考え方やそこから生まれるデザインを取り入れたモーエンセンはかくも美しい。シンプルでありながら一脚の存在感が凄い。
シェーカーの昔の文献を調べると、装飾の施された物も多いですが、中でもシンプルな物を参考にしたんだろうと想像ができます。
デザイナーズチェアの由来を辿ると明(中国)、ウィンザー(英国)、シェーカー(米国)が多くを占めます。
それぞれの特徴が家具に反映され、家具の特徴が暮らしに反映されます。
歴史を辿ると家具選びがまた楽しくなります。中でもミニマルな暮らしを目指す方にはシェーカーの家具、モーエンセンの家具はオススメです。
シェーカーの格言の中で
・すべての力は形態を生む
・調和の中には大きな美がある
・美は有用性に宿る
というものがあります。
これはインテリア全体に言える事で、無駄な装飾を無くし、機能から生まれる美しいデザイン、またそれらが調和した時に生まれる美しさを空間作りで考えていくと素敵なインテリアが完成すると思うのです。
Tanbata.